何か目標に向かってがんばっている人を、自分はすごく応援したくなるし、すごく尊敬します。
自分を戒めて最後まであきらめずに走り続ける人って、かっこいいと思います。


そういう人たちの背中を押してあげる曲が、YUIさんが作詞・作曲した『fight』という曲です。
今年のNコンの中学生の部・課題曲で、今年の紅白でも歌われる予定です。
この曲は発表されたときから大好きだったんですけど、Nコンのスペシャルステージで歌っていたアコースティックバージョンがすごくイイ……
もう何度聴いても泣きそうになります。
歌詞がダイレクトに伝わってくるし、なんか自分の考えていたことと重なっている部分が多いので。





この曲は『fight』というタイトルからもわかるように応援歌なんですけど、
ただ「がんばれ」っていうんじゃなくて、
出てくる12回の「がんばれ」の中にいろんなYUIさんの思いが詰まっていると思うんです。


言葉というのは全部難しいけど、「がんばれ」という言葉は、もっと難しい言葉だと思います。
薄っぺらい「がんばれ」っていう言葉は、言われているほうからしてみれば、変にプレッシャーがかかる言葉です。
もしかしたら、もうすでにがんばって、いっぱいいっぱいかもしれないのに、
「がんばれ」なんて言われても、「これ以上どうがんばればいいんだよー」ってなるんじゃないかなとか、
そう考える人だっていると思う。
「がんばれ」を、無責任な言葉にしたくない。


だから自分は「がんばれ」って使えません。
便利な言葉ほど、人は使ってしまうものだから。
でも、これ以外に励ましの言葉ってあるかな……
「無理しないで」とかそれくらいしか浮かんでこない。


そんなふうに思っていたのに、この曲にこめられているYUIさんの「がんばれ」は、心があったかくなる言葉でした
中学生とか高校生くらいの、いろいろ不安を抱えていたり、いろんなことに悩んだりする多感な人たちに、
そして、夢や希望を持っている人たちに、
きっとYUIさんは応援したくて、この曲をつくったんだと思いました。


歌に出てくるどの言葉もすごく好きなんですけど、とくに好きなところを抜き出すと3つくらいあります。


1番の「大丈夫よ 優しい嘘」が一つ目。
「優しい嘘」はYUIさん曰く

「うまくいくよ」って嘘でも言われると、うまくいくような気がしてくるじゃないですか。
「大丈夫だよ、絶対うまくいくよ」って言われると、もしうまくいかなかったとしても、その時は糧になって頑張ることができるっていうか。
優しい嘘っていうのは、すごい愛情があるなっていうふうに思いますね。


たしかに、大丈夫だよって嘘でも言ってほしいときってある。
そういってくれるだけで、なんか前に進もう、がんばろうっていう気になるから。
人によるけどさ、そういうふうに言ってくれる仲間がいるってとても幸せだと思うなー。


二つ目は、「散りゆくから美しいという意味がわかってきた」「勝ち負けだって本当は大事なことなんだね
2番だからフルコーラスじゃないと聴けない部分なのですが、ここがとくに好き。
散りゆくものを美しいと思えること。勝ち負けも大事だということ。
それは小さかった頃では到底感じなかったこと。
大人になったことで、成長したことで、はじめて意味がわかるものだと思います。
ここにこの言葉を持ってくるのって、YUIさんの才能だよなー。スゴイ!


三つ目は、「そうさ人生は引き返せない
決して明るい言葉だけじゃなくて、ネガティブというか、現実的な言葉も入れてくるところにきゅんときました。
自分の大学生活だって引き返してもっと過ごしたいって思うけど、
そういうわけにはいかないし、そうできない。
だから人生は美しいものとか、輝かしいものって言われるんだろうなって思います。


楽しかったことや、うれしかったことや、悲しかったこと、悩んだことや、悔しかったことを、
全部抱えて今を生きて、生きて、生き抜いていくのが、人生。
「今日の若かりし日がきっと懐かしくなる(ラスメロ)」から、なおさら「がんばれ」ということか。


「がんばれ」という言葉は、無責任な言葉だけど、心をこめればすごく厚みのある言葉になるんですね。
この曲は、自分が壁にぶちあたったときに、自分を勇気づけてくれる曲になりそうです。
夢や希望、そして目標のある方々に、サークルの現役にはぜひ聴いてほしいと思います。


今年でYUIさんは活動を停止されます。
YUIさん自身もこの曲で自分の進路をいろいろ考えたのかもしれません。
自分もYUIさんのように、自分の人生を振り返った時に悔いのないように、「がんばれ」たらと思います。